2019年11月

KCJNews(2019.11月・12月号)

KCJテニスアカデミーの目的は、子供たちのセルフイメージを高めること。
まちがいなく子供たちはセルフイメージの通りに生きていくことになるから。

◇自立心や考える力を育むために…今、私たち大人は何をすべきか

 

10年間あるフリーライターが、スポーツ界で優秀と言われているコーチたちに「子どもを伸ばす親ってどんな親ですか」尋ね続けてきたところ全員が同じように「干渉せずに見守る親」と答えたそうです。そして子どもの成長を阻む親は「過干渉で必死な親」でした。

「伸ばしたいなら離れなさい」の著書の中で50万人を指導したサッカーの‟神”コーチといわれる池上正氏が、失敗させろ。試合は見に行くな。考えさせろ。自分で選ばせろ。親が目標を勝手に決めるな。とにかく試合をさせろ。指示をするな。誉めるのではなく認める。大人は答えを持つな。つまり「大人は消えろ!」を力説しています。

このように親が離れるほうが子供が伸びる理由の一つに、答えを教えるのではなく自分で気づかせるようにすると、自分で何かをつかみ取ろうとする心が育ち、コーチの他の子供へのアドバイスや他人のプレーからも学ぼうと常にアンテナを立てているので何倍も早く太く成長するそうです。私もまったく同感で、このような子にセルフイメージの低い子が見当たらないのは、何かあっても自分で何とかできるのではという最も力強い自己肯定感が、彼らの人間力(生きる力)を支える原動力になっているからだと感じています。

家庭や学校、スクールなどでも、指示・命令・指導ばかりされたりしている子の多くは、自分から考えて行動することがなくなる傾向にあります。そういう子供は「自分で考える力」が育たず本人の問題点に気づくことも、自分できめたり、工夫したりすることもないでしょう。何かあれば自分で決めてないので人のせいにしてしまいます。もちろんトライすることもなくなります。今後すべてに受け身に回るのでは誰のための人生といえるでしょう。

 AI(人工知能)の発達により、重宝されてきた指示・命令にしっかり従う人間の65%はロボットにとってかわられ不要になるとか。「自分でしっかり考え、行動し、自立した人間になること」がこれからの時代には必要なのだそうです。

 そのために子供に対する監視から離れませんか? 監視されている子供には「信頼されていない」→「私はダメな存在」の自己否定系のセルフイメージが蓄積します。少し離れて見守ってあげるところから始めてみてはいかがでしょう。